ましもきんとキャリア

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転職するべきか、思い留まるべきか?(外資系生保勤務:Tさんの場合)

このテーマ、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

丁度昨日、知人から相談がありました。

 

Tさんは、外資系生保に勤務。

1年目の社員で、所謂保険金の収納を担う部門で働いています。

「キャリアに関して相談があります。」

と相談を受け、これは転職の相談かな・・?と思いつつ、久しぶりの再会をオンラインMTGで楽しみ本題に話を移していくと、案の定転職を考えているとのこと。

外資系生保と言えば、成果主義、ハードな環境というイメージもあり、根を上げているのかなと思いましたが、よくよく話を聞いていくとそんなことはなさそう。つらつらと論点が出てきます。

ここで、まず転職したいと考えた時に大事なのは、「転職したいと思っている原因を論理的に整理すること」です。大体の場合は感情的に転職したいという気持ちが先行しており、自分が何をボトルネックに感じているか整理できていないものです。整理するのが苦手な方は、テキストに落とし、カテゴリー別に整理してみましょう。ここが進まないと、漠然とした不満や不安に苛まれ、思考が前に進みませんし、相談された方も困ってしまいます。

 

今回話をした方から出てきた話は以下のような感じ。

整理しやすいように番号を振っています。

・仕事は暇(20時頃まで勤務)、疲れない、働いている実感がない→③

・仕事はそこそこ面白い(コロナウイルス等前例のない仕事も含めて色々やらせてくれる)→③
・キャリアとしていずれ企画部門にいく想定なのは楽しみ⇒⑤
・自由すぎてやばい、誰にも怒られない→①
・仕事に対するプロフェッショナルさがない、言われたからやるノリ→①

・自分の言ったことがほぼ通って刺激がない、張り合いがない→②

・マネージャーは全員中途で大手出身と、スタートアップ出身、面倒見は良く人間関係は良い→②
元々ずっとここにいる気ではなかった、転職は早くても良いのかなと思った→⑤
・仕事は半分は保守的、事務的なもので物足りなさも感じる→③
・自分で創る仕事は面白い→③
・顧客との距離感が遠く役に立っているのかが不明→④

 

発散的にまずは出してもらいました。

この状態だと整理していくのが困難です。

ここから番号を振って、カテゴリに分けていきます。

MECE(※)になっていない(例えば業務自体へのやりがいは貢献実感と通じる部分もあったりする)部分はありますが、MECEにこだわることに今回は意味がなかったので、ここに関するリッチな判断は割愛しました。

MECEとは漏れなくダブりない状態のこと

各発言を踏まえて、以下にカテゴリー分けできると判断し、矢印の後の番号で整理しました。

 

①カルチャー

②人

③業務自体へのやりがい

④貢献実感

⑤キャリアの見通し

 

ここで見えてきたことは、組織内で解決できる可能性が高いことです。

主に不満を感じているのは、現状いる部署や、上司の属人的な問題であるが高いという結論になりました。

①~④は組織規模の大きい企業であれば、異動すれば解消される可能性が十分あります。

直接部門と間接部門では、全く別会社のようなカルチャーの違いや人の違いがありますし、顧客との距離感の違いから貢献時間が感じやすかったり、業務も収益貢献する部門なので工夫が会社をアップサイドを作っていく感覚が面白く創造性も感じられる可能性が高いです。

今回は、上司、ないしは人事に掛け合って整理したボトルネックを伝えた上で異動を願い出るべきだというアドバイスに落ち着き、本人も納得してくれました。

 

私自身は2度の転職を経験しており、転職自体には肯定的です。

社会の変化も激しくなっている中で積極的に転職をすべきだとも思います。

ただ、安易な転職は危険です。ここでいう安易とは、上記の方のような事例のように、ボトルネックが分かっていない、それを踏まえて解決したいことが本当に転職しないと解決しないのか思考しきっていない状態を指します。

転職時の理由でも、優秀さが問われるため、ここで思考が浅いことは転職を不利に進めることになりますし、不利に進める=劣悪な条件への接続だったり、不人気な領域への接続で一層不満を蓄積する可能性が高いです。

社会は残酷です。基本的に転職エージェントは人を動かすことで利益を得るため、悩んでいれば無条件に背中を押してきます。(勿論優良なエージェントもいるためこの限りではないが、マスはこれが実態)口車に乗せられて、安易な選択をせぬよう気を付けてください。

 

では、今回の方は何がボトルネックであったら転職を考えた方が良かったのでしょうか?私が聞いたのは、「事業共感・ミッション共感はしているか?」という話でした。本人の回答は「YES」でした。本人が思考しておらず、かつ大事な論点であったので問いましたが、ここが「NO」だと転職を考えた方が良い事例だったと考えます。事業共感やミッション共感は部署異動で解決できない可能性が高いです。勿論コングロマリッド的な組織で複数事業を展開していればまた別ですが、今回のようにコア事業が単一である場合はそうもいきません。これはどこに異動しても、苦しむ可能性が高い。であれば、転職という選択肢をとるべきでしょう。

仮にそうだった場合、ここからどういった思考をして、どういった選択肢をとるべきなのか?という論点についてはまたどこかでお話したいと思います。

 

それでは、また明日から目指すミッションを達成するために各々の持ち場で頑張りましょう!